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梶山都歌集『梅雨の一欠片』

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著者第一歌集。

 むらぎものこころ遠出をしてゐるや万年筆に群青の凪
万年筆に充たされたインクの水面の「凪」が、上句と美しく響きあう。小さな水面が、まるで心のありようを映す広い海原にも思えるのである。(横山未来子・本書「解説」より)

【5首選】
いつぽんの線分を濃くひくごとき蟬声(せんせい) 四車線の国道に
繁りたる公孫樹とビルのあひふかくゆふぞらは時に鋭角をもつ
「姑(はは)」「さびしい」検索をせし夜からか居間の天井いくらか高し
室内灯のスイッチ四つすべて切り窓辺に羽田の街の夜を撮る
扉(と)を押せばカーディガンへ風ながれ入ることばうちあふ夜をかへるべし

《附録》
「こころを伝える言葉」―横山未来子歌集『樹下のひとりの眠りのために』論

装幀:花山周子

2026年6月27日発行
B六判変型上製164頁

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